私は、高校時代を四国八十八か所のお寺で育ちました。
和尚様は、文化と言うものに深い理解のある、器の大きな人物でありました。
おかげで、今の彫刻師としての私が、存在を許されています。
お寺の仕事をすることは、恩返しでもあるのです。
富山の婦中にある大きなお寺の改修仕事です。
これは、懸魚と言います。
工務店からの依頼ですが
長い年月を経て朽ちかけたものを
直接大きな和紙で写し取り、翌桧
の大きな板五枚に分けて彫り上げ
組み合わせて、伝統的な継ぎ手で
取り付けました。
製作したものは、(右)懸魚、(下左)持ち送り2体
(右下)御紋左右2枚、を東壁面と西壁面に1対ず
つ、10枚となります。
下四枚は、以前の状態です。
可成り年季が入ってしまっていますね。
四国八十八か所第十四番常楽寺信徒会館虹梁
龍・阿形六尺
阿形龍は、激しくオーラを放出しながら、荒々しく、お遍路様を見守っていて、取りつく悪霊を追い払います。
波は男波で、強く激しいうねりから砕けるばかりに表現しました。
吽形龍
宝の珠(お寺本堂)を守り、行く末を見守っています。
波は強くありながら龍によって抑えられています。
観音様製作途中
子供は、生まれてから、鑿音が子守歌のようになってしまい、仕事のそばで、よく遊んでいました。
靴は、鑿などを踏んでけがをしないように履かせていました。
「仏様大好き!」などと言って抱き着いていました
二間マタギ一匹龍
中央の蟇股をまたいで二間の虹梁に一匹の龍を、まさに今仏界から現れ出でた様を表現した図案です。